週刊3分AIニュース #29:自身の作品がAIの学習に盗用されるのを防止、AIに〝毒〟を食わせられるツール「Nightshade」
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こんにちは、日々AIデータサイエンスについて発信しているウマたんです。
今週から、僕が作成した記事と動画と書籍を毎週紹介しつつAIニュースを織り交ぜてお届けしていきたいと思います!
今週のコンテンツ
今週の記事
僕が運営するスタビジにて、自然言語処理領域のディープラーニングで一世を風靡したLSTMについて解説しました!
RNNの派生型LSTMについて分かりやすく解説!時系列データをPythonで分析していこう!
今週の動画
2021年にGoogleから発表され画像認識AIにブレークスルーを起こしたVision Transformerについて動画で解説しました!
今週の1冊
仕事に困っている人に読んで欲しい「もしアドラーが上司だったら」の要約解説しました!
ぜひ見てみてください!
それでは本日も最近のAIニュースを振り返る週刊3分AIニュース!いってみましょう!
今週のAIニュース
1.オンラインアンケート調査「SurveyMonkey」、「GPT-3」を使った新機能「Build with AI」をローンチ
アンケート関連のツールを提供するSurveyMonkey(カリフォルニア州)が、「Build with AI」と呼ばれる新機能を発表しました!
Build with AIは「GPT-3」を使用して開発されており、世論調査やアンケートの作成に要する時間をより短縮することができるそうです!
また、CEO曰く、「我々のツールを購入すれば、数分から数時間で調査を開始し、実に素早くアンケートを実施することができる」とのこと。
アンケートの設計は、何が知りたいのか、得た回答をどのように使っていくのかなどを考慮しなければならず、そう簡単なことではありません。
Build with AIを活用することで、短時間で効果的なアンケートを作成できそうですね!
2.自身の作品がAIの学習に盗用されるのを防止、AIに〝毒〟を食わせられるツール「Nightshade」
これは面白い!
シカゴ大学の研究者でコンピュータサイエンスの教授 Ben Zhao 氏が、AIによる学習から作品を守るためのツール「Nightshade」を開発中だそう!
Nightshadeの詳細は以下の通り。
”このツールは、アーティストが Web にアップロードする前に画像に加えることができ、人間の目には見えない方法でピクセルを変更する。例えば、研究者たちは犬の画像に毒を塗り、AI モデルには猫に見えるような情報をピクセルに含ませた。たった50枚の毒入り画像サンプルをサンプリングして学習させたところ、AI は奇妙な足や不穏な外見をした犬の画像を生成し始めた。”
この技術(データポイズニング技術と呼ばれる)は防御が難しく、AI モデル開発者は「毒入りピクセル」を含む画像を除外する必要があるとのこと。
この技術の実用化は、AIの学習による盗用に対する強力な抑止力となることでしょう!
今後の動向に注目です!
3.警視庁、都内の渋滞緩和にAI活用の信号機制御を開始
最近は国内でのAI活用事例もかなり増えてきましたが、ついに警察でも活用が始まりました!
警視庁が都内の渋滞対策として、AIによる信号機制御の取り組みを開始するそうです!
その詳細は以下の通り。
”AIは過去の交通データを基に渋滞状況を予測し、青信号の長さを自動調整する。具体的には30分後の渋滞を、40メートル以下の誤差で予測する。”
都内の通勤時や帰宅時の渋滞はとんでもないですからね笑。
このAI活用によって、少しでも渋滞が少なくなると嬉しいです!
https://ledge.ai/articles/metropolitan_police_department_traffic_light_ai
4.大規模言語モデルの品質を検証、Citadel AI「LangCheck」オープンソースとして登場
これは面白い発想!
Citadel AIが、大規模言語モデル(LLM)を用いた業務アプリケーションの信頼性を測定するツール「LangCheck」のオープンソース化を発表し、GitHubにソースコードを公開しました!
その詳細は以下の通り。
”LangCheckは、LLMテストツールを統一的なインターフェースで提供する。機能の例として、正解テキスト一致判定、事実の一致度合いチェック、有害な出力チェック、文法・単語の誤りチェックなどがある。日本語に対応しており、ダウンロード可能だ。”
確かにLLMは便利である反面、信頼性をはじめとした様々なリスクも存在しますからね〜。
「LLMを使ってみたいけどリスクを恐れて使えていない」という方達にとって、かなり有用なツールではないでしょうか!
https://www.citadel.co.jp/news/2023/10/12/announcing-langcheck/
5.中堅中小企業は生成AIに「詳しく指示しなくても成果物を出すこと」を期待している ノークリサーチ
ノークリサーチ社が、データ分析や生成AI(人工知能)の業務アプリケーションでの活用に関する調査結果を発表しました!
調査対象は年商500億円未満の中堅中小企業で、1300社から有効回答を得たそうです。
調査結果の概要は以下の通り。
”AIチャットによる「メール文面の自動生成」と「議事録の自動生成」の回答率は、業務アプリケーションを導入済みの企業と導入予定の企業のどちらも1割未満で、「今後のニーズの伸びは期待できない」とノークリサーチは分析している。一方で、文書管理やオンラインストレージサービスでの「マニュアルの自動作成」の回答率は導入済みの企業で12.2%、導入予定の企業で17.9%となっており、今後のニーズの伸びが期待できる結果となっていた。”
興味深い調査結果ですね!
必ずしもAIチャットに指示を出すことを望んでいるわけではないため、AI活用を訴求していくIT企業は、「指示を与える手段」と「自動生成の機能」を分離して提案していくことが重要になっていくかもしれません!
https://atmarkit.itmedia.co.jp/ait/articles/2310/24/news041.html
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