AI業界で誰もがお世話になってるHagging FaceのCEO「Clement Delangue」氏にフォーカス!
AI業界の人なら誰もがお世話になっているプラットフォーム「Hagging Face」の創業者でありCEO。Hagging Faceは2016年に創業した企業で、AIのモデルを共有できるプラットフォームとして多くの人気を集めている。
こんにちは、ウマたんです。
AI業界で活躍するナイスガイを紹介するこのニュースレター。
今回フォーカスしたいのはこの人「Clement Delangue」氏!
(出典:https://www.linkedin.com/in/clementdelangue/)
AI業界の人なら誰もがお世話になっているプラットフォーム「Hagging Face」の創業者でありCEOだ。
Hagging Faceは2016年に創業した企業で、AIのモデルを共有できるプラットフォームとして多くの人気を集めている。
話題になった画像生成AIのStable DiffusionのモデルやOpenAIのGPT-2などのモデルもHagging Face上で公開されている。
今回はそんなHagging Faceの創業者でCEOであるClement Delangue氏のキャリアにフォーカスして見ていこう!
若い頃に開花したビジネスの才覚
Clement氏は、フランス生まれの起業家。
名前の発音はカタカナで書くとクレメント・デローングみたいな感じ。
正確な生まれ年はよくわからないが学歴から計算するにおそらく1989年生まれの34歳。
世界最大のAIモデルを提供するプラットフォームを開発しているが、今までこのニュースレターで紹介してきた研究者タイプとは違いインターネット領域の起業家タイプのキャリアを歩んできている。
まず、彼のビジネスの才覚が開花したのは17歳の時。
当時Clement氏は父親の商売を手伝っていたのだが、お客さんにトラクターを売ろうとしても全く相手にされなかったという。
しかし、ここで諦めるわけにはいかない。
なんと兄と一緒にインターネットオークションのeBayを使って何百台ものトラクターやバイクをネットを通して売ることに成功するのだ。
この経験でインターネットの可能性に気付いたClement氏はスタートアップ起業家としてのキャリアを着々と築いていく。
色んな大学でビジネスについて学びながら実践する大学時代
彼のLinkedinの学歴を見て欲しい。
Clement氏はパリのESCP Business Schoolでビジネスを学びながらスペインの大学・アイルランドの大学・インドの大学・そしてアメリカのスタンフォード大学で学んでいる。
おそらくパリの大学に通いながら他の大学の通信課程に通っていたと思われる。
常人では考えられない行動力である。
基本的にビジネスについて一貫して勉強していたようだが、スタンフォードではコンピューターサイエンスの基礎を学んでいる。
やはりエンジニアでなかったとしてもコンピューターサイエンスをかじっておくのは今の時代ものすごく重要なのだ。
大学在籍時代に教育関連のスタートアップを起業
そしてClement氏はこれだけ学業に励みながらも、その傍らで大学在籍時代に起業している。
当時、彼は大学の教育環境に課題を感じていて教育領域で起業した。
それがUniShared。ユーザーが共同でノートを取れるようなWebベースのプラットフォームだ。
現在もGithubが公開されておりソースコードは誰でも確認できる。
https://github.com/UniShared/unishared
その後UniSharedと関連するサービスとしてビデオ視聴中にノートを取ることのできるVideoNotというツールも展開している。
VideoNotは200万PVに達し、UniSharedは2000の教室が開かれるプラットフォームに成長したという。
現在のHagging Faceにもこの時の教育プラットフォーム立ち上げの経験が大きく活きているはず。
徐々に機械学習の領域へ興味を持ち始める
ちなみに2011年当時学生のClement氏は有名な起業家であり投資家のガイ・カワサキの講演会に参加しガイ・カワサキに機械学習プロダクトのデモを見せている
以下の動画の2:34あたりに若かりしClement氏が写っているのだ。
以下の有名VCのセコイア・キャピタルの記事によるとこの時ガイ・カワサキ自身も画像認識のデモを見せて感動を受けたそう。
https://www.sequoiacap.com/article/clem-delangue-spotlight/
そして先述のようにスタンフォード大学でコンピューターサイエンスを専攻し、彼はAI・機械学習の世界に足を踏み入れていくことになるのだ
卒業後はGoogleの誘いを断ってフランスのスタートアップに就職
大学卒業後、Clement氏は起業家としてそのまま羽ばたくのではなく一旦就職する道を選ぶ。
とはいえ既にビッグテックになっていたGoogleの誘いは断り、フランスの画像認識系のスタートアップであるMoodstocks(Moodstocksは2016年にGoogleに買収されGoogleの画像認識プロダクトの一部として統合されることになる)という会社で働き始めるのだ。
そしてMoodstocksを1年ほどで退社するとMentionという別のフランス発スタートアップでCMOとして働き始める。
MentionはFacebookやTwitterや他メディアで特定のブランドや会社や個人に言及した場合すぐに知らせる(メンションする)サービスである。
そこでClement氏はユーザー拡大やアメリカオフィスの立ち上げに尽力したそう。
ちなみにMentionは2014年にWired紙の中で、今ヨーロッパで最もアツイスタートアップの1つに取り上げられている。
https://www.wired.co.uk/article/paris-1
チャットボット領域での起業からのピボット
学生時代に起業を経験し、勢いのあるスタートアップで働き経験を積んだClement氏はもう一度自分で起業したいと思い始めていた。
そこで2011年から2012年にかけてスタンフォード大学で一緒にコンピューターサイエンスのオンライン講座を受けていた仲間たちと共に2016年に立ち上げたのがHagging Face なのだ。
しかし最初の事業アイデアは今のHagging Face のようなAIモデルプラットフォームではなかった。
最初のアイデアは、AIチャットボット。
しかしAIチャットボットはなかなかビジネスとして上手くいかず、どうすべきか迷っていた時に登場したのが、あのTransformerなのだ。
TransformerはGoogleが2017年に発表したディープラーニングの手法で、AIの歴史を変えたもっとも有名な手法と言っても過言ではない。
興味のある方は以下の記事を参考にしてみてほしい。
https://toukei-lab.com/transformer
Clement氏はあまり何も考えずにTransformerのライブラリを作り公開したところものすごい反響を得た。
ここからClement氏は、AIのモデルを公開して共有できるプラットフォームにはものすごい需要があると考えて今のHagging Faceのような形に至ったのである。
今後のHagging Face
さて、今後のHagging Faceはどうなっていくのだろうか?
Clement氏はHagging Face をAI界のGitHubのようなものにしたいと考えている。
現在、競合らしい競合はいないが、AI企業がHagging Faceにモデルをオープンにしないケースも多くなってきている。
たとえばOpenAIの場合GPT-2モデルまではHagging Face上に公開されているがGPT-3からは公開されておらず利用するにはOpenAIのアカウントが必要である。
そのような環境下でHagging Face自身も自社でモデルを開発してプラットフォームに公開する研究開発的な活動もしており、結局多くの人に選ばれる強いモデルを開発した企業が天下を取るのだと思われる。
そんな状況でHagging FaceがAI研究開発者におけるGitHubのような立ち位置を確固たるものにできるかは見ものだ。
ともあれ僕自身Hagging Faceにはかなりお世話になっているしこれからも頑張ってほしい。
これからのHagging FaceとClement氏の活躍に期待したいところである。
いかがだったでしょうか?
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