OpenAIの取締役でディープラーニングの超天才研究者である「イリヤ・サツケバー」にフォーカス!
OpenAIの取締役でジェフリー・ヒントンのもとでディープラーニングを研究してきたディープラーニングの第一人者!
こんにちは、ウマたんです。
AI業界で活躍するナイスガイを紹介するこのニュースレター!
今回フォーカスしたいのはこの人「イリヤサツケバー(Ilya Sutskever)」!
(出典:TIME100 AI:Ilya Sutskever)
OpenAIの共同創業者であり取締役の1人。そして実質的にOpenAIにおけるAI研究開発のトップを務めるチーフサイエンティストである。
先日のサムアルトマン解任劇では、サムアルトマン解任を主導した首謀者である。
今回は、そんなイリヤサツケバー氏のキャリアについて見ていこう!
ロシアで生まれイスラエルで育つ
イリヤサツケバーは1985年にロシアで生まれ、5歳の時に家族と共にイスラエルに移住しイスラエルで育っている。
以下のTEDの動画で語っているが、彼が5,6歳の時に「人間としての意識」などを不思議に思い、そこからAIに対する関心が目覚めていったという。
確かにちっちゃい頃に「人間ってなんなんだろう?」みたいな純粋な疑問を持った経験は多くの人があるはず。
しかしその疑問を持ち続け人間を超えるAIの実現を目指しているイリヤサツケバーはすごい。
彼はそのままイスラエルで成長しイスラエルの大学でコンピューターサイエンスを学びはじまる。
しかし、そこから大きな転機が訪れる。
カナダへ移住しトロント大学へ編入するのだ。
トロント大学で世界的権威の元で研究
トロント大学と言えば、あの伝説のAI研究者「ジェフリー・ヒントン」がいる大学。
イリヤサツケバーは、トロント大学で数学の学位を取り、その後コンピュターサイエンスの修士号・博士号を2005年〜2012年にかけて取得している。
そしてこのコンピューターサイエンス研究時代の師が「ジェフリー・ヒントン」なのである。
2012年といえば画像認識コンペティションにおいてジェフリー・ヒントン率いるトロント大学のチームがディープラーニングモデル「AlexNet」を使って2位と圧倒的な差をつけて優勝し話題になった。
この出来事が火付け役となり第3次ディープラーニングブームがはじまる。
そんなきっかけになったAlexNetの論文が以下。被引用数147129という化け物論文である。
ImageNet Classification with Deep Convolutional Neural Networks
この論文に共著者としてイリヤサツケバーの名前が入っているのだ。
つまり、イリヤサツケバーは現在に至るディープラーニングブームを巻き起こした張本人と言っても過言ではない。
ちなみにこの論文のFirst Autherである「Alex Krizhevsky」はウクライナ生まれ。イリヤサツケバーはロシア生まれということで、いわゆるアメリカやヨーロッパなど経済の最先端を走る国の出自ではないことが面白い。
ロシアやウクライナや東欧には天才エンジニアや天才研究者が多い気がする。
スタンフォード大学でこれまた天才AI研究者と研究
さて話をイリヤサツケバーに戻そう。
彼はこの後スタンフォード大学で「Andrew Ng」と研究に励む。
Andrew Ngは超有名な天才AI研究者で、スタンフォード大学の教授でありGoogle Brainの創設者でありCouseraの創設者でもありバイドゥの元副社長兼チーフサイエンティストでもあるもうとにかくめちゃくちゃスゴい人。
スゴい人の周りにはスゴい人が集まる。
その後、イリヤサツケバーはスタンフォード大学をたった2ヶ月で後にしてトロント大学に戻り、ヒントン教授のプロジェクトDNNResearchに参加。
その後、DNNResearchはGoogle Brainに買収されイリヤサツケバーはGoogle BrainのサイエンティストとしてTensorFlowの研究開発に勤しむのである。
そして、2015年とうとうイリヤサツケバーはGoogleを離れサムアルトマンらと共同でOpenAIを設立する。
もうとにかく研究一筋でディープラーニングのど真ん中を歩んできた人物がイリヤサツケバーなのだ。
そこからは知っての通り、OpenAIのサイエンティストのトップとして多くのプロジェクトを牽引しGPTを代表するモデルの研究開発をしてきた。
なぜサムアルトマン解任を主導したのか
さて、多くのところで既に語られていることではあるが、改めてなぜイリヤサツケバーはサムアルトマン解任を主導したのか解説しておこう。
AIがさらに進化して全てにおいて人間を凌駕する力を持った時、それをAGI(Artificial General Intelligence)と呼ぶが、イリヤサツケバーはAGIの脅威をだれよりも危惧しており、人類にとって害を最大限抑えた上でAGIを実現したいと考えている。
イリヤサツケバーはビジネスマンではなくてあくまで研究者。利益よりもいかに安全で人類にとって良いAGIを実現するかにベクトルが向いている。
一方でサムアルトマンは研究者ではなくてビジネスマン。AGIの安全性ももちろん大事だが、それよりもいかに利益をあげて会社として他社の追随を許さない持続的な成長を成し遂げるかにベクトルが向いている。
これらの立場や考えの違いから意見が対立し今回の解任に至ったと考えられている。
どちらの立場も言い分も分かるゆえに難しい。
今回の騒動はひとまず収まったが、この考え方の違いは今後も度々露呈するだろう。
個人的には今回の1件はさすがにいきなりすぎるし後先考えないむちゃくちゃなアクションだったのでイリヤサツケバーに非があると思うが、一概にイリヤサツケバーが悪でサムアルトマンが正義だと考えるのはよくない。
むしろ今回の件で歪が大きくなりイリヤサツケバーがOpenAIを追い出されるもしくは自ら去るようなことになればかなり危険かもしれない。
我々はAIとどう向き合っていくかAGIの実現をどう考えるかをフラットに考えていきたい。
あまりビジネスの世界では語られないがOpenAIの台頭にはイリヤサツケバーのような研究者がいることを忘れてはいけない。
くろますおさんのニュースレターで紹介いただけた!
このニュースレターこれまで細々と配信してきたが、なんと今週大人気くろますおさんのニュースレターで紹介いただけた。
細々と配信してる人間にとって、こうやって紹介いただいたり反応いただけるのは本当に嬉しい。
ちなみに米国在住のくろますおさんのニュースレターは日本にいるとなかなか触れられない新しいトレンドを発信しているのでめちゃくちゃ有益。波に乗りたいビジネスパーソンにめちゃくちゃオススメ。
いかがだったでしょうか?
AI界隈で活躍する人色々紹介してますので興味のある方はこの機会にぜひご購読を。
役立った!と思ったら周りの人にシェアいただけると嬉しいです。
AIの詳しい理論や実装方法を学びたい方へ
AIの詳しい理論や実装方法が知りたい方はぜひWebメディア「スタビジ」やWebスクール「スタアカ」をチェック!
それではまた来週!
紹介ありがとうございました。
この方も、今回の騒動でかなり名前が出てきて一躍時の人となりましたよね。
勉強になります📖